- 野次OK!
- 野次NG!
国会中継恒例の「野次」。
テレビで見かけると「文句言って給料もらえるなら俺だって言いたいよ…」なんて気持ちになってしまう人も多いのでは?
でも実は「野次」には色んな意味があり、ただの文句とも言い切れないのです。
今回はそんな国会における「野次」についてまとめていきますよ!
「不規則発言」と「野次」の違い
「野次」のことなら「野次」のプロに聞くのがよいでしょう。
自他ともに認める野次将軍であった、本多平直元衆院議員が正しい「野次」について、2020年2月27日の国会本会議中に発言しています。
まず、本多元議員は「やじは国民に非難されることが多い」ことを前提に話し始めました。
まだまだ私は、やじは議場の花と言われるような、当意即妙で、歴史に残る、多くの方が納得するようなやじができているとはとても言えません。しかし、私個人は、議会を正常に運営するために、やじが必要な場面や、やじが役立つ場面がやはりあると考えています。
本多元議員曰く「答弁する政府側が時間稼ぎをしたり噛み合わなかったりして質問者の質問時間がなくなる」こと、「自分の専門外の法案を通す際の問題点の指摘」、「答弁内容の矛盾」に対する「野次」は必要であるとしています。
日本は三権分立の仕組みを採用している国です。
あくまでも「行政権」の不当な行為を正すための一環として、「立法権」を持つ国会を正常に運営するために「野次」は存在しているというわけです。
であれば、「野次」は文句ではありません。本多元議員もただの誹謗中傷は「不適切発言」だと言っています。
「不適切発言」と「野次」は違うと私たち国民も意識すべきです。
イギリスでも盛んな「野次」文化
「野次」文化で日本とよく比較されるのがイギリスでしょう。
元々、日本の「野次」はイギリスからの影響があったという説もあるくらいです(真偽は分かりません)。
前述した本多元議員の言葉を借りるなら「得意即妙で歴史に残るヤジ」ならば、時に殺伐とした議場内でも笑いを誘い、問題の本質を浮き彫りにする「絶妙ヤジ」になるとのことでしたが、まさにイギリス議会では名物「野次」のオンパレード。
実際、イギリス議会が面白いとされるのは「野次」の要素もあるようです。
何かと非難されがちな「野次」ですが、「立法権」たる国会を効率的にかつ面白く運営するために必要なのかもしれませんね。
国会中継恒例の「野次」。
テレビで見かけると「文句言って給料もらえるなら俺だって言いたいよ…」なんて気持ちになってしまいますよね。
実際、「野次」のせいで本来進むはずの議論が滞ることもよくあるみたいです…。
今回はそんな国会における「野次」についてまとめていきますよ!
現状の「野次」のほとんどは邪魔でしかない
「野次」は議場の華と言われ、議会を正常かつ活発に運営するために必要とされています。
日本では1920年の帝国議会での「だるまは九年!」という「野次」が有名で、古くより「野次」文化が醸成されてきました。
ですが、「野次」には行き過ぎたものも多く、「不適切発言」ではないのかと非難されている事例も多くあります。
2020年1月には夫婦別姓の問題提議の際、「だったら結婚しなくてもいい」という「野次」が問題になったのは記憶に新しいでしょう。
これは与党側の「野次」ですが、2021年10月岸田首相所信表明演説内の野党の「野次」もネットニュースになりましたね。
これより以前、東京都議会でもセクハラやじ問題が起こり、アメリカのメディアに取り上げられるほどの大きな問題に発展しました。
例を挙げればキリがありませんが、これらの「野次」は果たして「議会を正常かつ活発に運営するために必要」と言えるでしょうか。
残念ながら、現状の「野次」のほとんどは運営を滞らせる不快な邪魔でしかありません。
イギリス議会における「自由発言」時間
日本の「野次」とよく比較されるのがイギリスの「野次」です。
もちろん彼らの「野次」も効果的なものばかりというわけにはいかないようです。
ですが、日本と決定的に違うのは議会中、「自由発言」の時間が設けられていること。
議長の手腕と発言者のマナーがなければ成り立たない時間ですが、これによってイギリス議会は活発かつスピード感のある議論が可能になっています。
対して日本はどうでしょうか。予定が組まれ、質問内容が事前通告されるので答弁内容も準備されています。
効果的な「野次」をするには瞬発的な発言力が必要ですが、それを伴わないのが日本の「野次」と言えます。
本来あるべき「野次」を実現するには、野党は品位のない質問やヤジは自制しつつ自らの足腰を鍛え、政府側は質問をはぐらかすことなく真摯に答えることが大前提です。
議会の華たる「野次」は「議論がかみ合った国会」でなければなりません(皮肉にもこの意見は野次将軍として有名だった本多平直元衆院議員の意見です。本多氏は2021年6月に「不適切発言」で辞職しています)。
悲しいことに現在の国会だと難しい状況です。「野次」を飛ばすより先にやることがあるのではと疑問を持たずにはいられないのが、日本の「野次」の現実。
このままの「野次」ならば不要でしかありません。
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