日本は治安が悪いのかもしれません。
日本は平成14年以降確かに犯罪総数は減少しています。しかし、実際には犯罪検挙件数は犯罪総数よりもかなり低いのも確かなのです。
以下の表をご覧ください。
これは、日本の犯罪認知数と犯罪検挙件数を比較したグラフです。令和2年度版 犯罪白書より作成しました。グラフによれば、犯罪が最も増加した平成14年前後であっても犯罪検挙件数は他の年数と同じ程度。そのため、この時期は特に犯罪検挙率が低かったことがわかります。令和元年ごろは犯罪総数も減少しているため犯罪検挙数も減少していますが、いずれにせよ50%程度の検挙率であることがわかります。このように、日本は犯罪自体は減少しているのですが犯罪検挙率も低いまま、つまりなんらかの犯罪者が近くに潜んでいる可能性もないとはいえないのです。
さらに、こちらの表をご覧ください。こちらも同じ犯罪白書から作成しました。
これは、日本における犯罪者の海外逃亡率を示したものです。外国人犯罪者の海外逃亡率が高いことがわかります。つまり、日本で罪を犯しても海外に逃げやすい体勢であるということがわかります。日本人の海外逃亡者数も少なくはありません。特に組織犯罪の面では、海外逃亡は非常に厄介な性質を持っています。組織の一部は日本に残り、実行犯が海外に逃亡したりすれば日本で裁くことは難しいのです。しかも国際指名手配を行ったとしても捜査は海外の警察に委託することになります。たとえば日本で凶悪殺人事件を起こした犯人のうち、1人は自殺、1人は国際指名手配後17年間も海外で過ごしていたという事例がありました。海外の警察との協力が得られないと、たとえ犯人の所在地がわかっていたとしても身柄が確保できないということもあります。
一旦海外に逃げてしまえば検挙されにくいのに、日本は海外への逃亡を許してしまいがちな土壌があるのかもしれません。そういう意味では治安が良いとはいい難いでしょう。